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雑技と京劇 [上海雑記]

雑技と京劇、どちらも中国古来の大衆演劇の類であろうが、私は上海に住んでいたこともあり、上海雑技がこよなく好きだ。

雑技はサーカスとは異なり個人、個人の長年のたゆまぬ努力の結晶、個人技が特に優れ、その優れた個人技をグループで見事に調和させ、まるで神業のごとく披露する。何度見ても飽きず、むしろ見るごとに新たに感動する箇所が増えてくるから不思議なものだ。

中でも中年のおじさんが大きくて重そうなかめを頭に載せたり右肩から左肩へと軽々と転がして見せたり、大きく頭の上に放り上げ軽く背中で受け止めたり、ひょっと気付くと水を満々とたたえていたりと、なんでもないように軽々とやって見せるが実は大変に難しい技ではないかと思えてくる、お主、なかなかやるのう、と一人合点したものだ。

中国では各地に雑技の養成所があり素質のある子供を幼少時から特別に訓練し、その中から更に選抜していくのだという。体が柔軟な者は柔軟さを活かし、力があるものは力を活かし、バランス力が優れた者はバランスを活かしと、優れた個性を極限にまで最大化する。

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京劇はストーリーの単純さと見た目の派手さが分かりやすく面白い。特に次々と瞬時にお面が変化したり衣装が変化するのは誠に単純に大衆受けして気持ちが良い。京劇にもしみじみと心の奥深さを演じるものがあるようだが残念ながら私はまだ観ておらず機会があれば是非観たいと思っている。

文化大革命では江青から特に目の敵にされ他の伝統芸能と共にひどく弾圧されたようだが、近年目覚しく復活しているようで喜ばしい。雑技、京劇にしろ、心の豊かさを助長するような文化がもっともっと大きく広まれば人々の心のありようもまた大きく変化していくのではなかろうか。

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タグ:雑技、 京劇
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