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上海の記 その③ 賃金相場 [中国の記]

共産主義を止めたロシアの貧富の格差は大きいと言われるが、今でも共産党だけが国家を支配する中国の貧富の格差はもっと大きいのではあるまいか、それは改革開放の初期から既に明らかであった。94年に上海近郊に工場建設を始めたがコスト削減の為に日系ではなく地場の建設会社に発注した。或る日関係者に現場作業員の賃金レベルを聞いたところ、作業員の殆ど総てが地方からの出稼ぎ労務者(農村出身者)で日当5元(当時のレートで1元=15円)だが食事+飯場代金で3元引かれて手取り2元が相場とのこと。勿論雨が降れば作業は無く収入は無い。それでも出身地で農業をやるよりはいい現金収入になるとのこと。
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他方当社の初任給は中卒400元、高卒500元、短大卒1,200元、大学卒1,500元でスタートした。工員の殆どは周辺農家の一人息子で皆定時に帰宅する。中国でも華南地区の出稼ぎ労働者は出来るだけ残業を多くやって稼ぎたいとの風潮があるがここ上海では真逆。上海という大都市近郊農家は相当裕福というか賢く稼いでいることが分かった。大都市近郊の利点を生かし米よりもすぐに現金収入となる野菜栽培を中心とし、又大きな一戸建て農家(見栄張りが多い)は一人っ子政策の影響もあり空き部屋があるので地方からの出稼ぎ者に間貸しを行い、自身は外資企業に就職して月給を得る、という3重の収入があるのだ。野菜を誰が作るのかと言えば家族で手不足の場合は地方からの農村出身者を活用している。正に地主と小作人。

因みにカラオケもできるスナックに行けば同席するホステスに支払うチップは200元が一般的であった。
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現代中国社会の様相は更に複雑化していると思うがどの一面を切り取って評価(比較)するかで全く異なる結論が導き出されることは間違いない。いずれも真実の姿ではあるが。
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