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上海の記 その⑤ 献血騒動 [中国の記]

日本でも慢性的な血液不足対策として日赤等が恒常的に献血運動を行っているが94-95年頃の上海でも中国赤十字の音頭で献血運動が展開された。日本と違うのは上から献血者の割り当てがあったこと。上海市から各行政区、そして末端の鎮政府(村)にまで例外なく各企業に献血人数の割り当てが通知された。

当社にも2名の割り当てがあった。献血する人に対しては鎮政府、赤十字からの手当金に加え企業からも給与の半月分以上の手当て及び5日間の有給休暇を与えることが義務付けられた。諸手当を合計すると工員1ヶ月分の給与相当に加え丸々1週間の特別休暇がもらえるとなると希望者殺到するに違いないと思い込み申し込み日を設定した。
上海-12.jpg
献血希望者が何人になったのか想像を膨らませながら総務課長に聞いたところ「希望者ゼロ」とのこと。意外な結果に驚き、社内の血色の良い若手に献血はどうかと水を向けたが全員がNOと言う。こんな好条件なのに何故?と聞くと全員の回答は「エイズが怖い、注射器もきっと繰り返し使っているに違いない、地方のある村では何十人もエイズで死んだそうだ・・・」と言う。 それでも政府から割り当ての人数をこなせないのはまずいなと総務課長に相談したところ、任せてくれ、上に政策あれば下に対策あり、外部からアルバイトを雇いましょう、ということでその時は何とか事なきを得た。

ところが数日後鎮政府から呼び出しあり、社員から献血者を出さないのはどういうわけだとお叱りを受けた。
法外の報酬に目の眩んだアルバイトが二匹目のドジョウを狙って他社にも代行献血を売り込んだが、献血場に立ち会っていた鎮政府の役人に同一人が複数社を代表しているとばれてしまったようだ。

尚、中国への1年以上の駐在員ビザの申請書類には「非エイズ証明書」の添付が義務付けられている。身に覚えが無くてもエイズ検査を受けるのは何だかいやなものですが・・・



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