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運転免許はどうやって [上海雑記]

上海の交通事情は今も昔もひどいもので車はクラクションを鳴らしっ放し、歩行者は信号無視で横断、自転車も我が物顔。会社のルールは運転してはいけないことになっていた。従い会社の運転手はまず私の家に自転車で出勤し私の家の車庫にある社有車に乗り換えて私と共に会社に向かい帰りはその逆を辿ることが日課だった。

90年代後半に歩行者のあまりの行儀の悪さ(信号無視)に業を煮やした上海政府は、横断歩道以外で道路を横断しようとして車との事故が発生した場合は歩行者が悪いとみなすとの条例を制定してしまったぐらいだ。

1年365日何事も無く終わればよいが、世の中は常に突発的事件や非常事態が起こりうる、ましてここは日本国外、魔都上海、危機管理は常に怠るべからず、が私の信条だったので、万が一の事態に備えて中国の運転免許を取っておこうと思い立った。

調べると日本の免許を持っていれば実技試験は免除され、筆記試験と身体検査を受ければよいことが分かった。そこで早速申し込みを行い中国人の総務課長を伴って試験会場に出向いた。筆記試験場で係官から、試験は英語で受けるか中国語で受けるかと質問があったので、即、中国語で受けると回答、但し私は中国語が出来ないので通訳をつけてよいかと聞くとOKとの返事だったので総務課長に通訳を頼んだ。

総務課長は私の横に立ち試験問題を一つ一つ通訳してくれた。そして手には運転教本を持っており試験問題の通訳と同時に答えも一緒に教えてくれた。そして私は難なく満点を取ることが出来た。次に外国人も受け付ける病院に行った。総務課長が病院内の通路の椅子を指してここで待っていてくれと言い残し医者のいる部屋に入っていった。

少したってから総務課長が医者を連れて姿を現し私を指差して医者に何やら話したと思ったら、医者が突然私を点呼するかのように人差し指を私の方向に向けて、「よし!」(中国語で「好(ハオ)」)と言った。その一言で身体検査は終了した。目の検査も無かった。

最近日本で、日本語の出来ない中国人多数が運転免許を取得しようと携帯と超小型の無線による受信機等を使ってのカンニングを行なったと報道されたが、それからすれば当時の中国はなんともおおらかだったと言うべきか、或いは総務課長が袖の下を使ったのであろうか、今となっては想像するしかないが・・・

尚、免許は取得したが結局5年間の滞在中自分で運転する機会は一度も無かった。運転しなければならない機会が来なかったことを吉とすべきであろうか、或いは免許取得は全くの無駄であったのであろうか。

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(路端の行商人)
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